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済州民俗の実相10-12-04 09:44

  • writer : 林映辰
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歳時風習とは、民家で毎年季節によって慣習的に繰り返し行う伝承的行事を示す。一つの社会の中で慣習的に守られ伝えられて来たという点で、歳時風習はその社会の伝統性と特殊性を一層浮彫りにする。

済州特別自治道の歳時風習は、その地理的風土的条件により、農業・漁業・畜産など稼業がその土台となり、韓国の一般的な歳時風習と調和しながら済州的な歳時風習を形成するに至った。

1月はその年の始めの月であるため、儀礼行事などが多いが、その風習は1日から15日までの間に分布している。

正月1日は「ソルメンジル(元旦)」又は「ジョンオルメンジル(正月元旦)」と言い、先祖に祭祀を行った後お正月のあいさつ回りをし、土亭秘訣やユッジョム(カリうち占い)などで新年の運勢を占うことなどは他道と酷似している。立春日は立春の時刻に立春書を書いて貼り、勤慎するが、特に女性が他人の家のを出入りするのを禁じる。もし物を家の外に持ち出すと、一年中財物が外に出ていくと観念化されたりもする。また、麦を抜きその根の数で農事の凶豊を占ったりもする。

正月の上旬になると、各家庭では吉日を選んで、家庭の安寧と稼業の豊作を願う祭祀を挙げるが、巫教式に行う「門前祈願」、「メンガム告祭祀」、「竜王祭」などと、儒教式に行う土神祭がある。1月1日から15日の間にそれぞれの村では「堂グッ(シャーマン儀)」と「浦祭」などの村祭りを行う。女性中心の「堂グッ」は村ごとに決められた祭日によって堂でグッが行われ、「浦祭」は正月の始めの丁日に男性有志たちの内から祭官を選び、徹底した儒教式で行われる。正月1日から飛ばし始めるヨン(凧)を「バンシュイ(防邪)ヨン」と言い、15日に厄払いの意味で遠くへ飛ばしたりもし、正月15日には「トチェビバンシュイ(お化け鬼防邪)」といって藁でかかしを作り、遠くに捨てる厄払いも時々行った。

2月は、「ヨンドンダル(月)」といって、ヨンドン祭が行われる。ヨンドン祭の対象はヨンドン神、つまり「ヨンドンハルマン(老婆)」であり、この神は漁夫と海女たちの海上安全と海産物の豊作を司る。このヨンドン神は2月1日に済州特別自治道に訪れワカメ・アワビ・サザエなどの種を海に撤き豊作を助け、15日に本国に帰ると信じている。ヨンドン祭はヨンドングッとも言われるが、2月1日にはヨンドン歓迎祭を、12日から15日の間にはヨンドン送別祭を村グッで行う。このようにヨンドングッを開いてヨンドン神を送った後で船に乗って漁撈作業に出かける風習は昔から伝えられている。

3月にも大小さまざまな歳時風習が伝えられている。「サムジッナル(三月三日)」には谷川や川辺で花摘み遊びを楽しんだ風俗があり、村共同の定期的な堂グッも朝天邑臥山里などの数ヶ所で行われる。一方、北済州郡翰京面竜水里では3月15日には特別に村の人たちが共同で烈女高氏を誉めたたえる烈女祭を行う。その他にも産母の乳が出ないとき泉にいって、ムル・ハルモニ(水婆さん)にお祈りする習俗と、新年最初に畑を耕す時には牛を東に向かわせてから鋤を付けばその年の農事は良くなるという「チョッパッカリ(年初の畑を耕すこと)」も3月に始まる。またこの月にはワカメなどの海産物採取を始める風俗が以前盛行し、海女たちが出嫁ぎにでたりもした。

4月には初八日と関連する行事が幾つかある。昔、初八日に書堂では灯火を吊す「クルチョンの観灯」風俗があり、幼子の髪を刈る風俗もあった。巫俗信仰では、4月初八日の昼は「メンジン国お婆さんの登極日」といって灯火を下げ自分の将来の吉凶を占う風俗がある。天気占いと「ベコシ(船祭祀)」を行う風俗も守られており、夜には海辺に松明を厏げていきサザエなどを採ったりもした。

5月の「端午節」になると家ごとで先祖に祭祀を行って楽しんだが、今ではほとんど行わていない。5月の特筆すべき事項としては、色々な薬草を穫って食べる事があるが、5月に竹の子を茹でて食べれば体にいいと言い、「アホプコランプル(九畝の草)」を端午の日に摘んで煮たものを湿布にすると婦女子たちの産後病に効くという。メハジキと松・黒豆・麦なども薬として煮詰めて食べる風俗がある。また茅のやわらかい中身を抜いて食べる「ピギチギ〈ピギ草を賭けて遊ぶこと)」遊びもあり、早朝に金星を見る「セビョルボギ(金星を見ること)」風俗も伝えられている。

6月の風俗では「ユドウイル(流頭日)」が代表的だが、農家で副業で植えたスイカ・キュウリなどの特用作物が良く育つようにと、「ジェソクハルマン(老婆)」にお祈りする。6月20日は「タクチャバモンヌンナル(鶏を食べる日)」といって、家ごとに鶏肉を食べるが、特に女性は雄鶏を食べて男性は雌鶏を食べないと効き目が無いという。また、「セキフェ」(豚の胎児の刺し身)を珍味とする。6月20日の夕方には「ナルシボギ」(天気予測)風俗があり、伏日には雨が降ることで観念化されたりしている。豆畑ではコガネムシを捕まえる「トウミジャブキ〈黄金虫捕り」が行われ、豆の葉で飯を包んで食べる食生活風俗もあった。農漁村では、「ジェチュンクッナム(除蟲菊)」を準備しておいて火鉢で燃し、その煙で害虫を予防したりもした。

7月には「百中日」(14日)があるが、この日には畑では働かず海辺へいく。このひに海辺へ行けば胃病・腰痛・熱病などの病気にまで効き目があると信じている。またこの日は牧童の魂を慰め畜産の繁栄を願う「百中祭」が開かれる。この日、巫女たちは檀家の中に祭ってある神堂の服を出して虫干しし、檀家の内部を掃除する「マブルリンジェ(麻拂大祭-馬や牛が良く育てるよう祈願をする祭」を行ったりもする。また、農神である「ジェソクハルマン」に、農作物の病虫害をなくし豊作を願う「ジェソクハルマン祭」を行い、七夕の日には「七夕祭」が行われる。一方、仏家では千度仏供を挙げたりもする。7月の食べ物としては、トコブシ・ウニ・ワカメ・カニ・サザエなどの、海産物を煮た「バルスープ」、胸病と脚気に效能があるといわれる麦畑の露をふくべの器に受けて飲む「イシル(露)飲み」風俗も伝えられている。

8月の特異な風俗としては掃墳がある。伐草ともいわれるこの風俗は普通1日から15日の間に行われるが、先祖の墓に訪れて子孫たちが全員集まって掃墳するのは「モドウム掃墳」といわれる。秋夕名節は家で茶礼を行って遊ぶ。昔には「チョリフイ」といって、この日に綱引き大会を開いて楽しんだと言う。

9月の行事として言及できるものではグッ(巫女の儀式)がある。9月の刈入れが終わると家の裏庭に祭られている蛇神のティッハルマン(裏老婆)にお祈りをして祭祀を行う。この神は、瓦二枚を合わせてその間に五穀の種を取り替え、被せ物を新しくする。この祭りを「チョルガリ(節替え)」という。済州の巫女たちは9月9日を彼らの本命日とし、この日になると巫女たちは自分の家に大きな竹竿を立てて3日間大規模なグッを行ったと言う。

10月には畑仕事を終えた牛や馬を放牧するための準備をしたが、持ち主が自分の牛馬であることを表示する烙印や耳標をつけた。これを「マソクィピョ(馬や牛につけた標識)」と呼ぶが、これを行う前に牧子たちは祭物を準備して祭祀を行った。烙印は、昔は官家の帳簿に登録されてあり、それぞれの家ごとに固有のものがあった。この月の各村では新しい穀物で祭物をつくり本郷堂で「新万穀大祭」を行った。この祭りは巫によって行われる秋収感謝祭の性質をもつグッである。仏家では10月15日に決裁仏供をあげるが、これは翌年の1月15日の解制仏供をするための精誠なのである。

11月は冬至を除いては特に行事はない。冬至が暖かいと来年に病気が多くなると思われたり、この日にパッチュク(小豆のお粥)を作って食べたり邪を追い出すために大門に塗ったりもした。

12月は一年の最後の月だ。独特な風俗としては、新年と旧年が交代する間に新旧間というのがある。大寒の過ぎた5日から立春の3日までの期間である。この新旧間は約1週間程であるが、この期間に家を修理したりトイレをなおしたり、また新しい家に引っ越しても悪いことが起らないという。それでこの新旧間に都市では引っ越しが頻繁に行われる。12月は一年を締めくくる月なので、新年に対する関心と期待も大きい。従って農事の豊凶を予測する言い伝えもいくつかある。例えば、冬の海岸に打ち上げられた海草がなくきれいであれば凶作となり、軒下につららが多く長くできれば次年の粟は豊作となるといわれる。一方12月の独特な食べ物としては、飴を煮込んで食べれば万病に効くという。

この12ヵ月の他にも、一年に閏月が入って13月になる場合もあるが、閏月に死んだ人に着せる寿衣を作ったり、家の修理など家の手入れをしたりする。




林映辰 10-12-04 09:47
답변
上の写真はサムルノリ(사물놀이)